組合員探訪

第17回訪問 2016年10月19日(水) 株式会社インテ・クレッセ

組合員探訪:株式会社インテ・クレッセ
本社住所:東京都品川区西五反田1-24-4 タキゲンビル4F
代表取締役社長 大湯 弘様にお話をうかがいました。
会社設立:1992年(平成4年)3月10日
組合加入日:2013年(平成25年)6月1日
探訪日:2016年10月19日(水)16時~17時
樽屋監事、小倉事務局長、理事小池が訪問いたしました。

会社の設立は1992年(平成4年)で、今年は25年目に入りました。
大湯代表は、先代のオーナー社長から2011年に代表を引き継ぎました。代表は日々の営業活動も含め非常にお忙しい中、「組合員探訪」のお願いに快諾していただきました。会社が四半世紀の間継続できていることは、本当に立派でマネのできることではありません。大いに誇れることだと思います。しかし代表のお話は、経営は苦難と試練の連続でよくぞ持ち堪えたということと、それをバネにしっかりと成長できているという劇的な内容でした。

会社概要について
企業理念は、楽しく情熱(インテ)を持って創造し、お客様とともに成長(クレッセ)し続ける会社です。社員数は約30名。全員社内で自社パッケージやネットショップ向けシステム等の企画・開発や保守業務に従事しています。主要顧客は、資材卸業、電材業、電気工事業等エンド顧客です。
大湯代表は2005年に参加されたとのことですが、
当時の状況はいかがでしたでしょうか。
「私はそれまでCSK(現在のSCSK)に所属し、建設業の積算システムや住宅販売用CADシステム等の開発を担当していました。当時CSKは、まだオーナーの大川功氏が実権を握っている時代でゲーム会社のセガを買収しましたが、うまくいかず混迷を深めていました。」
「2000年に仲間とともに会社を設立。その後、インテ・クレッセのオーナー社長と知り合いました。当時は、販売・会計・生産管理システム関連のシステム開発を行っていました。さらに、いろいろな仲間が加わり、上場を目指そうと2005年に合併いたしました。」
ご苦労されたことはありますでしょうか。
「2008年にもう1社と合併し、社員含めた従業員数で70名を超えるまでに成長しました。
ところが、これからという時にリーマンショックが襲ってきました。まさに製造業が大きな打撃を受けましたので、製造業向け生産管理システムは全く引き合いがなくなりました。従業員数も半減以下に。借金も億の単位に。かつパッケージの不良在庫が5000万円ほど積み上がりにっちもさっちもいかない状況に陥りました。不幸は続き、オーナー社長が病に倒れそして1年後亡くなりました。幸いにも、品質の良い商品と、それらを開発する良い人材を残していただきました。
私はソフトウェア開発を30年以上携わった経験から、よほどのことがない限り会社は立ち直らせることができると確信していました。
それで覚悟を決め、銀行の借金を引き受け、2011年代表取締役社長に就任しました。」
「アベノミクス等により景気が持ち直したこともあり、利益の確保できる商品のリリース及び開発体制が整いました。そして当時、借入金が1.5億円ほどありましたが、ほぼ全て返済、無借金になり、現在に至っております。」
社員の方に大いに報いる必要がありますね。
「そうですね。実は社員に自社株を買ってもらっています。
利益が出れば、株主として約8%還元しています。ボーナス制度はありませんが、営業利益の半分を社員に還元しています。毎月の売上げ高や利益などの試算表を社員に公表しています。」
「私が代表になった時に5ヶ年計画を出しました。社員の年収を5年間に2~3割アップする計画です。当初は本当かなあ?と本気にする社員は少なかったのですが、今年は計画の最後の年です。なんとその目標を達成しつつあります。今は次の5ヶ年計画を立てようと考えています。」
「給与だけが全てではありませんが、社会や顧客への貢献度、会社の存在価値、仕事のやりがいなどと併せて社員のモチベーションの向上に寄与していると考えています。」
貴社の状況や強みなどはいかがでしょうか。
「先ほど話をしました資材関連の卸企業向け販売管理システム『IC-MANAGER』は、業界シェアトップクラスを誇ります。たくさんのお客様に納品され稼働しております。」
「ただ、リーマンショックの経験もあり、主力商品が一つだけでは経営上のリスクが高すぎます。そこで取り組んだのは、楽天やヤフー等のネットショップ向け販売支援ツール『ECステーション』の開発です。EC事業者様向けにネットショップを手軽に容易に立ち上げ、且つ運用の手間も減らせることができるシステムです。月額制クラウドサービスとして展開し、ご利用いただいている事業所様に高い評価を得て継続的にお使いいただいています。現在は、当社の売り上げの2割を占めるまでになりました。2年後には、売上の3割を目指しております。」
貴社の、これから力を入れることや、方向性などはいかがでしょうか。
「多くのお客様にご支持をいただいている主力商品のブラッシュアップを常に行い、お客様と共に成長するサイクルを引き続き目指していきます。」
「ネットショップ向け以外のASPサービスを企画提案し、ストック型ビジネスをもう一つ二つ増やしていきたいです。」
「会社の目指す方向としては、全社員が御客様の課題解決をトコトン考え、小さいけれども存在意義のある会社です。創作の目標と課題を明確にして自ら商品を生み出す力を持つこと。そして達成感のある仕事を行い全員が誇れる会社にしていきたいと考えています。」
組合の活動状況やご要望やご意見等何かありましたら。
「当社の販売管理システムの開発言語は『Delphi』を用いています。人手が必要な時、共同受注委員会の人材情報を見ています。ただ、使い勝手が悪いので改善していただければ有難いです。例えば、各社ごとにEXCELを開いて確認しないといけないので、直接WEB上で参照したい。また各種検索機能を設けていただければ助かります。案件情報や人材情報のリアルタイム性も欲しいところです。」
「これは個人的なことかもしれませんが、健康診断は無料なので非常にありがたく受診させていただいているのですが、加入している健保組合の健康診断も受診しているので、全ての項目ではなく、例えば血液検査のみの受診ができるとか柔軟にしていただけるとありがたいですね。」
商談会や協議会などは貴社のビジネスにお役に立っていますでしょうか。
「協議会は、興味あるテーマに参加させてもらっているので助かっています。
社労士さん(中島理事の息子さん)から助成金の申請処理などご支援いただいています。」
人材採用状況や採用方法についてはいかがでしょうか。
「中途の人材採用が中心です。採用活動は厳しいのが実情です。人材が不足した時には検証要員をMETSAの会員さんより派遣していただいたりして対応しています。」
人材育成やキャリア形成方法などについてはいかがでしょうか。
「弊社は、先ほど話をしましたように社員を外に出すこともなく、社内で自社製品の開発や保守を行っていますので、社内教育が殆どです。特に力を入れているのは、お客様が自社パッケージを導入した場合、経営者、管理者、現場の方々にどのようなメリットがあるのかを徹底的に理解させることです。そのために定期的に勉強会を開いています。」
「何かあった時は社内に留まるのではなく、なるべく現場に行きお客様の生の声やお叱りを受け次に生かす実戦経験を積むことです。」
事業継承などにつきましては。
「あと、数年くらいで引退する時期でもありますので、そろそろ考えなければという段階ですかね。」
JAPiCO、PマークやISMS、派遣法改正についてはいかがでしょうか。
「個人情報保護認証のJAPiCOマークを2015年に取得させていただいております。」
「また、もう1社別会社があるのですが、そちらではまだ特定派遣なので、来年中には新派遣法への切り替えを検討しています。」

探訪後記

会社のHPやカタログを閲覧しますと、自社製品の説明をあらゆる角度から詳細に説明しています。代表は元CSKの開発技術者ということで、性格もお仕事も論理的にきちっとしている方だということがわかります。
億単位の借金があるとは知っていましたが、まさかそれを自分が引継ぐことになろうとは夢にも思わなかったそうです。代表を引継ぐときに奥様に相談をしたのですか。と尋ねましたが、一切その話をしなかったとのこと。話をすれば断られることがわかっていましたし、それでもやるしかないと腹をくくった男の生きざまはこのようなものだと感じました。

亡くなられたオーナー社長は、頭の回転と決断が早く、喜怒哀楽が激しくて、それでいて人情味のある典型的なワンマン社長。
社員に慕われ、存在感のある方で、どういうわけかお墓を沖縄に立てられたとのこと。
節目節目に、社員全員と沖縄に旅行を兼ねてお墓参りに行き、当時のいろんなエピソードを語りあっているそうです。

社員に対する様々なサポート諸策も他の会社にはまねのできないものばかりと感じました。社員を大切すると同時に、厳しい目標と課題を達成するプロフェッショナルな力を必要とすることも求めています。飛行機の両翼のようにバランスを取ってこれからも上昇していくものと思います。


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