通商産業省 関東通商産業局 関産認協第1476号

METSA

組合員探訪

第22回訪問 2017年5月23日(火) 特定非営利活動法人コミュニケーションプロスペリティ

組合員探訪
特定非営利活動法人コミュニケーションプロスペリティFacebookページ
住所
〒107-0052 東京都港区赤坂3-21-3牧野ビル2階
代表理事
豊田 倫子様
設立
2015年
組合加入日
2011年(平成23年)4月(コンピュータハウス ザ・ミクロ東京として加入)
探訪日
2017年5月23日(火)18時~19時 
樽屋監事、小倉事務局長、システムロジックス吉田さん、
理事小池が訪問いたしました。

今回の「組合員探訪」は、特定非営利活動法人コミュニケーションプロスペリティ様です。代表理事豊田様、副理事の高橋様、岡本様、そして監事萩原様からNPO法人設立から活動内容など様々な話をお聞きいたしました。

法人の概要について

理念は、話の力・書く力を基礎にコミュニケーション学・幸福学・生涯教育を通じて、 人々の幸せと健康、豊かな社会発展に貢献する。 自分たちの力を社会貢献に役立てることです。
それらを実現するために、土日に公開セミナー・企業向けセミナー・生涯教育ワークショップ・講演・講師派遣などの活動を実施しています。

設立のきっかけや今までご苦労されたことは?

「設立して3年目になり、現在役員は9人です。役員は、自分の会社を持ってたり、一般企業で仕事をしています。それぞれが講師として専門と豊富な経験があります。副理事の高橋とは話力で一緒だったのですが、仲間がいれば何とかなるのではと思いNPOを設立しました。それも仕事の関係上、定例セミナーは、土日のみの開催という制約の中でやっていこうということです。」
「会社にしなかったのは承継の問題などいろいろと面倒なことが発生するかなと。小さな組織だけどNPOだったら公共性があります。私は、あと10年くらいは頑張ろうと思っているのですが、後に続く若い人を育成し継いでくれればいいかなと思っています。」
「苦労したことは、スタートしたばかりでしたので、集客ということでは計画通りになかなか集まらなかったことかな。あとは会場の場所選びですね。」

どのように集客させたのでしょうか?

「SNS講座やWEBマーケティングの講座などに通いました。あとはどこに登録すればいいとかFacebookの文字は何文字で書けばよいのかなど試行錯誤を繰り返しました。でも集客という点ではあまり効果はなかったですね。やはり人伝てやメールや電話などアナログ的な方法でした。」
「一時期は集客のために単価下げるか、という話もあったのですが、そうしてしまうと、価格競争になってしまい、組織が衰退してしまいます。だからそういうことはやめようと。今は、参加者は毎回15人くらいで、参加者同士のコミュニケーションが取りやすいです。」

どのような研修を?

「みなさん、プログラミング言語やネットワーク、マネジメントなどの専門知識のスキルはお持ちです。しかし、そのスキルという柱をどこに立てるかが問題です。砂地にたてれば倒れてしまいます。柱は頑丈な地盤に立てなければ、屋根ものりません。私たちNPOはそのスキルという柱をたてるための頑丈な地盤作りのお手伝いをセミナーを通して提供しています。」 「毎月1回、基本的に第2の土曜日か日曜日にセミナーを開催しています。研修費用一人5,000円です。安いって言われますが、中には自分でお金を払って参加する若手の社員さんがいらっしゃいます。本当はもうちょっと取りたいのですけど、そういう方々にも来ていただけるように考え設定しています。)費用が安いからと言って、品質を落としてはおりません。高品質のセミナーを若手社員に提供しています。」
「研修会場は、田町にあり、ホテルのラウンジのように植物に囲まれおしゃれなところです。44階にあるので窓の外を見るとレインボーブリッジが目の前にあるんですよ。非日常的な環境の中で研修が受けられる。何となくワクワク感があり受けやいです。お昼ごはんもつけてるんです。前回、高級ピザを出したら、若い男の子から、味はおいしいけど、小さくてお腹がすいたって。今回はちょっとお腹にたまるものにしようかな。ふだん忙しい状況から、研修に来ていただいて、きれいな景色を見ながら、おいしいごはん食べて、ちょっと勉強して、そして他社の人と交流ができればいいかなと思っています。」
「前回は、PDCA研修でした。さっそく帰りにPDCAに必要な文房具を買った人とか、自分なりに工夫して、1週間続けてみましたっていうような声もありました。受けた、楽しかった、で終わりじゃなくて実学に結びついてくれればうれしいですよね。」
「講座は、ポジティブ心理学、アンガーマネージメント、アドラー心理学、ドラッガーのマネジメント理論、ジェロントロジーなど、講師の専門に合わせて企画開催しています。ジェロントロジーとは、今後シニアの活躍というのがとても重要視されてくるので、シニアってどういう方々なのか、どうやってシニアに企業の中で活躍していただくかという内容です。」

研修の取り組み方については?

「教育専門の企業がおこなうような堅苦しいセミナーではありません。量はちょっと少ないかも知れませんが、これだけ理事の人材が揃っているので、質は全く落とさないで商工会議所よりは少し安い金額で皆さんにご提供います。」
「研修の場合、質を落とすと、リピーターがなくなるのです。自分たちが常に向上心を持って、受講者にとって納得のいく内容にし続けていかないといけません。新しいことを取り入れたり、どのように表現すればより理解できるのかなとか常に研究しています。」
「会社が受講費用を出して参加するのと、自分自身が学びたくて自分でお金を払ってプライベートな時間を使って参加するというのは、全然受講者の態度が違います。我々は個人でもっと学びたい、向上したい、いろんなスキルをアップしたい人たちを支援していきたいと考えています。そういう個人を対象にした人たちが数多く集まって、お互いに成長し合っていくというものにしていきたいのです。」
「テキストは同じでも、参加者の年代層や職制等によって、内容や表現のしかたが変わってきます。受講者に則した内容をいかに展開していくか、それを若い人も年代の上の人にも、同じ事を一方的に話をしていると受け入れられません。 また受講者がどういう価値観、どういう経験、知識を持っている

受講者からの評判は?

「受講生からは、とにかく雰囲気がアットホームなので、非常に楽しかったとか、また続きを聞きたいというよう声が聞こえてきますね。」
「若い人たちを見て、何か落ち込んでるな、心配事がありそうだなと感じたら、ちょっと声かけてあげたくなりますね。『どうしたの?、こういうことが分からないの、じゃあこういうふうにすれば。』という支援ですね。それであとからこういうふうにできるようになりました。とか、社長から褒められましたとか。その姿を見られるのが楽しいしうれしい。そのためにNPOをやっているのかな。私はそういう感覚でいます。」

今後の方向性は?

「ある企業さんから、授業を受けた後認定をしてくださいっていう要求があります。私どものほうでカリキュラムを作って、それの単位制というか、ベーシックコースとか、シニアコースに分けて、受講したという簡単なレポートを出していただき、それに対してNPOの修了証書を発行できるところまで持っていきたいですね。更に、研修を受けて修了証を持ってる、それ自体をブランド化する。そこまで我々のレベルも上げていきたいなと思っています。そうなれば講師育成まで将来的には展開できる可能性もあると考えています。」

理念に関して教えてください。

「小学生から社会人まで広く市民を対象として、共通語である正しい日本語の習得、聴く力・話す力を基礎に、プレゼンテーションをはじめとするコミュニケーション能力を高めることにより、よりよい人間関係を築くための育成支援の組織です。実際のところあまり、理念に共鳴してというカッコいいものではなくて、話をしているうちに、そういうことであれば自分も協力したいな。特に強制的にやるわけでもなく、また人任せっていうこともなく、自分が協力していかないと成り立っていかないなと。よりいいものを作っていこうというのが自然と出てくるのです。豊田さんの人間性っていうか、雰囲気とかね。」
「コーポレートカラーはダイダイ色です。これは代々(・・)続くっていう意味もあるんですね。コーポレートの花は蓮です。蓮って真水の中じゃ生きないじゃないですか。泥水の中に根を張って初めてお花を咲かせる。人間もそうですよね。」
「収支はトントンかなって思っていたら、銀行口座に20万あったんですよ。それで売上の一部をワールドビジョンに寄付しました。ワールドビジョンは世界の後進国の子供たちが生きるための支援組織です。受講者の人もセミナーに参加すると、年末に自分の10円を寄付していたとなったらうれしいじゃないですか。3万円で井戸が掘れて、現地の子供たちの命が助かるんですよ。」

コミュニケーションスキルとは?

「技術力も人間関係もセンスのある人ない人という話になりがちです。でも、人間関係構築の最初はスキルなのです。それ知らないで業務をしている技術者さんがたくさんいらっしゃいます。本当に損をしている。注意されると、人格否定されたみたいに思っていたり。そうじゃなくて人間関係を構築するまではスキルなんだよっていうところが肝要ですね。」
「いわゆるヒューマンスキルは、人間性というよりも、その前に知識、技術として人と会話をする。人と意思疎通をする。これは実はスキルなんだということを学べば、性格がこうだからとか、内気だからというのは関係ないんです。ただそういう方法や道具を知らないっていうだけなんです。それらを身につければちゃんとコミュニケーション取れるんですね。そういうヒューマンスキルを、背景となるエビデンスとともに提供しています。若い方で本当に見ていて、もったいないなっていう人がたくさんいますよね。」

世代間コミュニケーションの問題とは?

「今の若い世代の人の考えかたは昔と違うんです。どう育てたらいいのかという認識を変えないといけないですね。上司も叱り方で、『結論から言うんだよ、当たり前じゃないか!』みたいに、人格までドーンと踏み込み過ぎると自信を無くしてしまう。そうじゃなくて、『結論から言うことによって、こういうフレームワークがあるので、そのほうが分かりやすいよとか。アサーティブな表現を心掛けようね。』 するとまるで違ってきますよね。今の若い方はそういう世代です。ちゃんと理論を言って教えてあげないといけないんですよね。」
「世代間コミュニケーションという、いわゆる団塊の世代とゆとり世代の人たちの価値観の違いというものを理解するとコミュニケーションがうまくいくんです。昔の経験を押し付けて、若い人たちの創造性を奪ってしまう。また何気なくやってることが、若い人に対してパワハラとか、セクハラとかになります。クロスコミュニケーションとか世代間コミュニケーション、そういうのが重要になってくると思います。若い人たちを理解する、また若い人たちが自分たちの問題を理解する。そうするとキーワードになるのが、『共感と納得』です。これをいかにコミュニケーションの構築の中に持っていくかっていうのが重要なポイントになってきますね。そういうテーマのコースを作っていきたいなと考えています。」
「30代後半から40代前半が一番大変です。入ってくる人はゆとり世代、上がシニア世代で60歳すぎて再雇用。この両方を見なければいけない。この価値観がものすごい違いがありますから、両方を自分が共有して、マネージメントしないと全体が動かせないんですね。まるっきり違う世代間のはざまにあるわけです。ですからそういうマネージメント、クロスジェネレーション、この知識がいかに大事かということ、この知識を知らないとマネージメントしきれないのですね。」

組合への要望について

「組合で何度か話をしていますが、社長とかじゃなくて、社員の方向けの教育ができればいいなと思っています。はじめはビジネスマナーなどです。そういうことをあまりやらないで、現場に派遣してしまう会社さんってあるじゃないですか。結局5年くらいで辞めちゃって。また人入れて。これでは育たないですよね。例えばMETSAに加盟すればMETSAブランドとして確かなレベルの人を育成します、のようなことをつくれればいいのかなと思いますが。」
「経営者の方とよく話をさせていただくのですが、社員に教育をという意識はあるですが、どのように育てたいのかというイメージがない。そのためどのように教育すればいいのか、内容はどのようにすれば良いのかがわからない。あるべき姿、必要な知識、スキル、経験というものを持たせるには、こういう考え方が必要ですよ。またいろいろな問題が出た時に、解決方法を知るためにはこういう考え方が必要ですよ。というのを私どもは提案できるのです。そのような考え方ができると、このようになりますとか組織の改革ができます。というようなものです。これから企業自身の育てる力が問われる時代ですね。人をとにかく募集しても集まらないのですから、今いる社員を成長させること、それが収益に直結しますから。だからもう待ったなしですよね。どんどん取り組んでいかないといけないと思います。」
「最初は休日半日くらいでいいのでMETSAの皆さんで集まっていただいて、勉強会を開ければいいなと思っているんですね。」

皆さんにとってこのNPOの意義は?

「ドラッガーの著作の中に、『君は何をもって憶えられたいか』っていうのがあります。それを考えた時に、もう40過ぎて人生の半分は終わっている訳ですよね。残りの人生をどうやって生きて、どうやって死んでいくかだと思います。なので、社会貢献、あとは教育、人材育成ですね。残していけるのはこれぐらいなので、これらをやっていきたいかなと。
余生って、余りを生きる、ですけど、そうじゃなくて与えて生きる『与生』、そういう人生を送りたいなと。常に新しいものを勉強し、吸収して、そして今までの知識、経験というものを融合させながら与えて生きる、『与生』っていう生き方にしたいなという気持ちです。『いつまで働くの?』ってよく言われますが、もう周りからあなたは結構ですと、自分が賞味期限を決めるんではなく、周りが自分に賞味期限を与えてくれたら、その時が終わりかなと。自分で自分の賞味期限は決めませんって言っていますよ。」

探訪後記

理事の方々は本来の仕事とともにNPOとして自主的な活動を行っています。大変だとわかっていても、協力しないといけないなという雰囲気にさせてしまうのは豊田代表理事の人間性や魅力なのだと皆さんおっしゃていました。コミュニケーションなど現状の問題点に危機感を持つからこそ、一人でも多くの人に気づきを与え、より良い人間関係を築いていくお手伝いしたい気持ちが伝わりました。また『与生』という言葉も教えていただきました。人材育成や教育をライフワークとして、自分たちも成長し続ける。このスパイラルが少しでも拡がりますように期待しております。

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