通商産業省 関東通商産業局 関産認協第1476号

METSA

組合員探訪

第28回訪問 2020年2月7日(金) 株式会社オーミック

組合員探訪
株式会社オーミック様
本社住所
〒130-0026 東京都墨田区両国4-8-10 MYSビル1F
代表取締役会長
金光 秀一 様
代表取締役社長
水野 幸一 様
会社設立
1999年9月21日
組合加入日
2015年6月1日
探訪日
2020年2月7日(金)10時~
訪問者
小池理事、樽屋監事、小倉事務局長

今回の「組合員探訪」は株式会社オーミック様です。
本社はJR総武線両国駅東口から徒歩約10分、 忠臣蔵の吉良上野介邸跡や勝海舟生誕地など江戸時代の香り漂う街並みの中にオフィスがあります。
代表取締役会長 金光 秀一様にお話をうかがいました。

会社業務概要

金融業務、特に銀行業務のシステム開発及びソフトウェア開発を得意としています。
システムやプログラムの設計など上流工程に携わる技術者が多く、長期にわたり離職者がほとんどいないためスキルやノウハウが蓄積し、また後輩社員への指導教育ができています。

貴社設立のきっかけについて

「設立前は大手の上場情報システム企業に11年間所属していました。今は別企業と合併し名前が変わっています。退職した後、約2年派遣社員のようなことをしていました。その時に同じプロジェクトにいた現社長の水野と出会い、『個人でやっててもしょうがないよね。一緒に会社立ち上げようか。』ということになりました。」
「創業から今年で21期目になります。私はあのままCSKにいても出世できないタイプだったと思います。会社が吸収された後の同期を見てるとまだ役職に就けない人がたくさんいるので、辞めて正解だったかなと思っています。」

貴社設立後の状況や強みについて

「私は銀行業務の開発、水野は銀行のシステム子会社にいたので、2人とも銀行のことしか経験がなかったのです。僕も水野もエンジニアでしたので営業のノウハウがない状態で会社を作ってしまいました。私たちは顧客先に常駐していましたので、現場の顧客と取引を始めました。社長兼SEじゃなくて、SE兼社長だったんです。普段は常駐SEをやっていて、週末だけオフィスに戻り会社の処理をしていました。」
「金融系の銀行業務一筋に約20年間従事し深く経験をしているので、銀行のアプリケーション開発には結構強みがあると思います。大手会社さんからも直に声をかけていただけます。そういう2人で会社を作っているので、我々の周りにいる意識の高い開発エンジニアが集まってきます。そこがやはり強みになってきていますよね。」
「リーマンショックの時はちょっときつかったですね。もう10年前になりますね。キャッシュを確保するため、待機社員たちに稼働するまで私と水野の給料を振り向けました。その時に採用した社員がずーっと頑張ってくれているんです。時々あの時の自分や水野を褒めてやりたいなと思い出しています。」
「我々の人脈での採用がメインなので、会社の成長の度合いがゆっくりです。しかし、社長を水野に譲った途端に勢いがつき始めた感じです。(笑) 水野がしっかりしているからです。私が社長時代の売上高は最大約3億5千万円でしたが、今期は約4億8千万円の予定です。」
「また、要件定義や基本設計など上流工程から参画できるシステムエンジニアが何人かいます。お客様にチームとして提案できますし、ノウハウが社内で蓄積され、より高いレベルの業務に挑戦していくことが可能となっています。」

これから力を入れる分野や方向性について

「これから力を入れたいと考えていることですが、その前に実は銀行系開発案件が、オリンピック前から完全に逆風なのです。メガ銀行でいえば、去年あたりでメジャーな開発は終わっている銀行や、勘定系に最低限しか手をつけない銀行もあります。また、あるメガバンクは外資の銀行の受け入れ移行案件がありましたが、それ以降は縮小しているようです。」
「ネットバンクとか地銀の案件が結構動いていますが、銀行の案件は今後先細りしていく傾向なので、なんとか他の柱を建てたいと思っています。生保系やクレジット系などの業種の案件に挑戦したり、一括受託ができないか社内体制を見直しているところです。またある会社さん経由で、東京都や国の入札案件をやっていこうと検討しています。受託に力を入れていきたいですね。」

組合への期待やご要望などについて

「毎週水曜日に行われる商談会でお世話になっています。また、組合員が健康診断を10人まで無料で受けられるサービスがありますよね。遠慮なく活用させていただいてます。」
「協議会で時事ネタを時々やっていただいて参考にさせていただいてます。例えば派遣法の改正とかですね。協議会や若手経営者の会などの積極的に参加しているので、期待や要望ではなくて自分の中では十分活用してきてるほうだと思います。」
「あとは共同求人人財育成委員会です。4月から中途1人と新卒7人が入社予定ですが、実は今回の新卒1名は共同求人委員会から採っているんですね。4月1日に行われる組合の合同入社式に当社の全新人社員を出席させます。代表して話をしないといけないのです。まして安延理事長も出席するなかなので何を話してよいやら緊張しますよ。(笑)」

何かお困りのことがあれば

「今期4月に社員数が50人を超える予定です。そうしますと産業医との契約とか、障害者の雇用とかが必要になってきます。当社は間接スタッフがいないので私が情報を集め決めていかないといけないのです。今度民法が改正になりますよね。あまり情報がないので様々な場を利用して首を突っ込みながら勉強してるんです。是非協議会の中でも取り上げてほしいですね。協議会の懇親会の場で、参加者の中から世間話の中でポロポロっと有益な話を聞けることがあるのです。例えば民法改正で受託業務における瑕疵期間の変更があるようだとか、その場合SESも影響があるかもしれないと言われたのです。契約書でどのような表現や文章にすればよいのかも含め情報があるといいですね。」

人財採用状況や方法について

「人材採用状況は、先ほど言いましたように、今年4月入社は中途1人と新卒7人となります。勝負に出ました。本当はMETSAの共同求人委員会の活動で採りたいのですが、6名は別の会社のマッチングサービスで採用しました。研修も一緒のパッケージで受講しないといけないため、かなり費用の負担が大きいのです。また前払いです。助成金申請が通れば還付されてくるのですが、PL上は営業外利益になるので、採用数が多いとキャッシュフローと営業利益に多大な影響があります。METSAで採用し研修も受けると約半分のコストで済みます。何とか来年はMETSAで採用したいと考えています。」
「中途入社に関しては、まったく媒体を使わないで全部縁故で採用しています。ちょっと自慢になりますが、『会社が楽しそうだね。』って入ってくれる人が結構いるのです。社員どうしでイベントをやったり、昨年は駅伝に社員が初めて出たり、あと社員旅行ですね。昨年11月に香港行く予定だったのですがあのような事情で延期になりました。今月3連休でのベトナム旅行は、新型ウィルスの影響で中止しました。社内旅行は社員が積立をしているのですが、キャンセル料を社員に負担させるわけにはいかないので、行ってないのに120万円くらい飛んでいってしまうんです。」

人材育成方法について

「人材育成については、組合員の中川代表のアークシステム株式会社のEラーニングを去年からやらせてもらっています。内容は新人向けやフォローアップ、スキルアップに活用しています。計画的に社員に受けてもらうようにしています。」

事業承継関連について

「私は17年間社長を続けていましたが、2年前に脳梗塞になりました。会社にいた時に発症したので処置が速く、約2週間の入院で後遺症もなく済みました。でもぎりぎりだったらしいんです。不幸中の幸いでした。その間、間接スタッフがいないため営業も採用も経理も私一人で賄っていたので業務が滞ってしまいました。」
「それまで私の生活パターンは仕事をしているか酒を飲んでるかでした。帰宅するのは毎日午前様なんですよね。もう完全に不摂生だったんですね。早く帰れる日は早く帰ればいいのにストレス発散で飲みに行ってしまう。その生活が長年続いていたのです。無理がたたったなと。それで水野に営業面などを分担して社長をやってもらうようにしました。その意味では事業継承はうまくできたのではないかと思います。」
「事業継承をしたことで、墨田区から2千万円無利子で借りられました。朝日信金が情報を持ってきたのです。朝日信金の利子分を区が全て補助してくれ実質ゼロなのです。また借りる時の信用保証料も全額補助が出るのです。本当に驚いています。ありがたいですよね。」
「だから事業継承は良い時期にやったと思います。一緒に会社作った創業メンバーが引き継いで成長させてくれています。会社を楽しく働く環境を作れるいい人間だと思います。」

セキュリティ関連や派遣法などについて

「Pマークは取得してます。労働者派遣法は取得中で今度4月に1回目の更新になります。同一労働同一賃金について顧客から労使協定方式でないと取引しないとて言われているので現在その方向で準備をしています。」

会社の特徴や雰囲気について

「当社は離職者が少ないのです。定期採用組が6期続き13人ほどいるのですが、まだ誰も辞めていないのです。社員同士のイベントが多く、酒を飲む機会が多いこともあると思いますが、酒を飲まない社員もいるし、ほとんど帰社してこない社員もいます。だから正直理由は分かりません。なにかそれぞれに居心地がいいんだろうなと思っています。」
「私が以前の会社に所属していた時に、新卒採用のリクルーターをやっていました。学生に話をしていたのは、先輩社員に会って、『うちの会社は素晴らしい会社です。』と言う先輩はあまり信用してはいけない、ということです。絶対不満はあるはずだからです。当社社員も多かれ少なかれ不満はあると思います。小さい不満はできるだけ解決していきたいと思っているのです。もちろんできることできないことありますけどね。」
「社員の中でリーダー的みたいな子が『若手会』とか言って、入社の浅い若い社員を集めて定期的にいろいろと企画してくれています。会社側もそれに対して補助を出しています。社長水野の方針です。課長クラスの社員が何人か呼ばれるのですが、財布代わりに取られるらしいです。そういうところが居心地がいいというところにつながっているのかなと思いますけどね。」
「私が水野と知り合って、水野が今の専務の杉山を連れてきて、杉山が佐々木を連れてきて。全部縁だと思っているんです。私は人に恵まれたというか、運はいいなと思ってますね。」

探訪後記

両国は江戸・明治時代の歴史や日本文化の魅力を感じられる町ですが、最近は交通の便や都心に近いこともあり道路の各交差点四隅にマンション特に民泊用の建設が同時並行で行われています。
金光代表のお話の中で特に印象に残ったのは、退職する社員が少ない。特に新卒採用を始めてから誰も辞めていないということです。理由として居心地が良いとのことですが、金光代表が社員を信頼し自主性を重んじ、そして社員の幸せを第一義的に考えていることが大きいのではないかと感じました。
また事業承継につきましても、うまく次世代にバトンが渡されていると思いました。
組合で共同求人人財委員会の活動を始め、積極的に参加されリーダーシップを発揮されています。 社員数も大きく増えており会社の成長が見込まれます。同時に組合を更に価値あるものとして成長できますようにご支援ご協力をお願いいたします。

組合員探訪一覧へ戻る

組合員探訪

ページの先頭へ戻る