通商産業省 関東通商産業局 関産認協第1476号

METSA

組合員探訪

第35回訪問 2025年6月17日(火) システムクラン株式会社

組合員探訪
システムクラン株式会社
本社住所
神奈川県横浜市中区長者町五丁目75番地1 スクエア長者町805号室
静岡支社
静岡県静岡市駿河区大坪町3番17号 オラシオン大坪町305号室
代表者
代表取締役社長 齊藤 直彦
会社設立
1984年10月
組合加入日
2024年7月
訪問日
2025年6月17日(火)16時~18時
齊藤社長、大谷副社長、杉山副社長に、樽屋監事、小倉事務局長、小池顧問が訪問し、話を伺いました。

横浜市中区長者町に本社を構え、設立後今期で41年経ち42期目を迎えます。
ソフトウェア開発・保守、運用などでお客様のご要望に対応しております。得意分野は、自治体、金融分野、また、得意業務はWebなどの業務アプリケーションの開発、保守、運用などです。
「クラン」の意味は、同胞、仲間という意味です。業務で一緒にやった人などが集まって作った会社です。

会社設立のきっかけや、今までご苦労されたことなど

会社は今から41年前の1984年に設立しました。創業者の大野など5人ほどのメンバーで創った会社とのことです。42期目になりますので当初の創設メンバーはすでにいませんが、その後入社した現副社長の大谷が一番社歴の長い社員となっています。2013年に先代の大野が病で亡くなり、その後大谷が社長を引き継ぎました。
私(齊藤)や副社長の杉山は以前から大谷と面識があり、当社に参画をしたのは実は3年ほど前からなのです。それから現在の体制でやらせてもらっています。
社員数は、もともと10名ほどでしたが、現在は有期雇用社員を含めて60名ほどになりました。それもあり、事務所とか環境面などの整備が未だ追いついていません。ただ、我々は自治体関係の業務が中心なので、受託開発について持ち帰り業務はほぼできなくて、顧客の開発部の中に詰めてメーカーさんベンダーさんと一緒になって作業をしています。社員は会社に戻ってくることは、ほぼないので、事務所にお金かけるより、社員のためになることにかけたいという思いで、現在の事務所に留まっている状況なのです。
苦労したことは、2013年に創業者の大野が病で亡くなり、急遽大谷が代表を引き継ぎ運営する形となりましたが、経営者として何をするにもわからない事ばかりで苦労しました。

貴社の状況や、強みにつきまして

当初はメーカーさんの社内で一緒に開発と品質保証の2本でやっていた感じですね。
3年ほど前に社名変更及び大幅な組織、体制変更を行いました。
過去一緒に仕事をしていた方々が一緒にやりたいと来てくれたり、仕事の内容や進め方や社長の人となりだとか、そういうものを見ている人たちが、私たちも一緒にという形で集まってくれたりしました。

現在の柱が、地方自治体、金融、品質保証を中心に、幅広い開発・運用作業に携わっています。静岡に支社もあり、現場的には静岡、首都圏約半々という割合です。
静岡のほうは、地元の自治体や銀行関係の業務が多いです。
従来の社員と新たに参画した社員がうまく融合し、作業に従事してくれている事もあり比較的安定している状況です。NTTグループ様、富士通グループ様、日立グループ様、内田洋行様、JA様関連などの大手企業様より直接お取引を頂いている事も経営基盤確保という意味では大きな強みと考えております。
また、ここ数年間は国が進めている、地方自治体業務の標準化関連作業の比重が高くなっている状況です。各自治体の業務の仕様を統一する方向で動いていますが、やはり自治体ごとの地域や背景、特色など違うところはあるので簡単にはいかないようです。

これから力を入れることや、貴社の方向性はいかがでしょうか。

これから力を入れていきたい事は、まず、第一に採用ですね。当社の社員年齢構成をみても年齢層が高くなっていますので、重点的に若手の採用に力を入れて行きたいと思っています。経験豊かな熟練エンジニアが多数在籍している事は強みでもありますが、今後の新たな方向性を決める上でも若い力が必要と考えます。昨年にMETSAに参画させて頂いた大きな理由の一つも採用でした。
次に教育です。現在の社内状況をみても、経験豊富な業務SE、熟練タイプのホスト技術者の在籍率は高いのですが、それらの多くの熟練技術者をAI技術等最先端技術の方向に行かせると考えるのは現実的では無いと思います。やはり若い世代の技術者を教育していく必要があると認識しています。ただ、教育と言っても、有償の外部教育を受けさせる事も必要だと思いますが、関連するプロジェクトに参画させてもらいながら経験を積んで行く事も、会社の営業的努力として戦略的に実施して行きたいと考えます。
弊社の今後の方向性は、やはり基本である弊社の得意業務分野以外の全く新しい分野に舵を切る事は考えにくく、地方自治体、金融関連作業等を中心にどの様な展開が考えられるかを模索して行く必要があると思います。
しかし、自治体においては現在行っている標準化、金融業界においても、富士通が「クロスバンク」を中心に勘定系システムをクラウドで手掛ける新サービスに移行して行くと発表した通り、今まで以上に脱メインフレーム化が加速していく事は明白で有ると思われます。まだ具体的に示せませんが、熟練エンジニアの豊富な業務知識と若いメンバーの最新技術を融合させる事で、何か新しい物を作って行ける体制を整えて行きたいと考えています。
また、私の個人的な希望や夢となりますが、人生100年時代と言われています。社員が年齢を重ねていく中で、技術的或いは体力的に今までの仕事でやって行くことが困難になってくる時が来ると思います。そうなったときに、もう少し長く働ける環境を作れないかと思っています。NTTが金融業に参画表明する様な時代ですので、現行の仕事や業務に固執しなくても柔軟な発想で、社員の雇用と働く環境を継続して守っていく方法と手段を考えていきたいです。

METSA活動につきまして

組合への期待は、加入のトリガーとなった共同求人人材育成研究会で採用活動をしたいということと、案件の受注活動でなかなか先が見えなくなってきているのでその安定化です。顧客の地方自治体や金融関連は、いただいた案件に外国籍の方の提案は最初からNGになりますし、所属社員でないと提案できないなど制約が厳しいですよね。人材の提案も社員の採用もちょっと厳しいかなというところです。
組合への要望としては、新卒や中途採用に向けた共同求人対応に参加するにあたり、組合の名刺の作成をお願いいたします。新規学校の開拓なども協力したいと考えています。
協議会のテーマとして、奨学金の返済支援制度やIT補助金給付制度などの申請方法の勉強会なども開催して欲しいと思っています。
商談会では、まだ実績をあげておりませんが、案件情報や人材情報など機会があれば利用させて頂きたいと考えております。
その他のMETSA内での活動については、まだまだ理解不足な点があると思います。何か有益な内容が有ればご教授して頂きたいと考えます。

人材採用状況や育成方法につきまして

中途採用については、今までは知り合いとか伝手を辿った採用が中心です。併せてハローワークに随時募集を掛けていた状況です。ここ3年のハローワークでの実績としては2022年度1人、2024年度2人の採用という状況です。
新人採用については、ここ3年は社内体制変更後の組織固めを優先に、具体的な活動は行っておらず、今回初めてMETSA様主催の共同求人事業に参加させて頂き、6月初め時点で、合同説明会を開催した専門学校の生徒様から4名の応募がありました。今後社員の卒業校を中心に会社案内を携え回ろうと考えています。
中途採用については、前述のハローワーク中心に行っており、横浜及び静岡地域のハローワークに随時募集をかけている状況です。
人材育成方法などについては、現在は社内の資格報奨制度を活用して各個人の努力に頼ってしまっている状況ですが、今後はMETSA様主催の共同研修事業も大いに活用させて頂きたいと考えています。

事業承継につきまして

新体制になりまだ3年程なので殆ど検討が出来ていない状況です。事業継承関連会社よりM&Aの案内封書が毎日のように届く中、やはり社員の誰かに継いでもらいたいという思いは有ります。しかし、私を含め経営陣3名は年齢も近く、もう少し若手の育成が必要で有ると分かっているので今後の重要課題です。

探訪後記

齊藤社長は、自治体や金融関連のなど案件のプロマネを担当し、真面目に最後まで責任を持って完結させてきた実績があります。顧客やベンダー、そしてパートナーや社員からの信頼は厚いものがあります。齊藤社長の下で働きたいと他の会社の社員や案件に関わっているメンバーが、同胞として加わってきました。また、熟練社員の将来についても気遣いをしています。単なる仲間としてではなく家族の一員であるとの思いで経営をしているのかなと感じました。

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