通商産業省 関東通商産業局 関産認協第1476号

METSA

組合員探訪

第32回訪問 2023年7月18日(火) 株式会社アオイシステム

組合員探訪
株式会社アオイシステム
本社住所
〒163-0532東京都新宿区西新宿1-26-2新宿野村ビル32階
代表者
代表取締役 二上 英河
会社設立
1982年6月28日
組合加入日
2020年3月1日
訪問日
2023年7月18日(火)13時30分~15時
樽屋監事、小倉事務局長、小池顧問が訪問いたしました。

株式会社アオイシステム 二上代表に話を伺いました。
会社の業務としては、オープン系エンジニアのSES事業や、在庫管理や食品などのトレーサビリティシステムなどの自社製品を開発しています。1982年に創業して以来無借金で安定した経営を継続しています。

会社設立のきっかけについて

当社は私の母が創業者であり、今から約40年前の1982年に設立しました。私は2000年に入社いたしました。設立当時の話は創業者から聞いた話になってしまうのですが、設立時の定款はハードウェアの製造とソフトウェアの開発になっていました。当時のITはメーカー独自の閉じた世界で、メーカーが違うとすべてが違うのが当たり前でした。まだまだ一般の人たちには認知されていないような時代だったと聞いています。それでも伸びると考え、先見性があるといいますか、やりたい、会社を立ち上げたいということで設立したと聞いております。
当時ハードウェアはパソコンなどが世の中に出る前の時代でしたので、汎用関連のハードウェアの製造は非常に難しかったようです。それでソフトウェア関連の開発に進むという決断をしました。当時お付き合いのあったキーパンチャーさんたちのメンバーが集まってくれ、そちらの方向に踏み出したというふうに聞いています。

当時女性が社長というのは珍しいのでは

女性が創業者というのは珍しかったと思います。実は父も別のIT会社を設立し経営していました。まあ、お互いの経営方針が合わなかったこともあり、別々の会社を立ち上げたようです。夫婦としても離婚し別れてしまいました。父の経営方針はイケイケ系でどんどん前に進んでいく。母の経営方針は堅実系で着実にやっていくという考えで、私は母の意志を継いで着実堅実型にやっていっています。母に会社名の由来を聞いたのですが、「焦らず、奢らず、急がず」の頭文字をとっての語呂合わせのようです。
会社紹介なども「あいうえお順」が多いので、共同求人活動での会社説明時にトップバッターでやらせていただける恩恵もあります。

母の会社を継いだ理由について

小学校くらいから、ベーシックというプログラムを組んでみたり、大学・大学院生の時は人工知能のプログラムを組んでみたり、好きでこの業界に入り今に至るという形です。
社長をしている母を見て育ってきましたので、好きな仕事で会社を継ぎたいという気持ちは学生時代からありました。
教授からは大手メーカーなどの就職あっせんをされたのですがお断りし面接にも行きませんでした。
家業を継ぎますとはっきり伝えました。先生も驚いていました。
卒業後そのまま生え抜きでアオイシステムに就職し今に至っています。
入社からリーマンショックの時までは経営というよりも開発エンジニアをやっていました。

現在の状況や会社の強みにつきまして

ひとつには、創業当時40年以上前から長くお取引をさせていただいている会社さんや私が開発で現場に入り長くお付き合いのある会社さんなどがあります。
インテックさんや、CECさん、富士ソフトさんなどです。
信頼を積み重ねお付き合いしていただいている会社様があるということが強みかなと思っています。
中には案件に提案した社員が面談なしに現場に入れる関係性を築いていただいているところもあります。
ふたつ目は、自分もエンジニアの経験があり、技術者はどういうところに不安を持つかなど状況が分かっていますので、社員が現場に一人で常駐したとしても、孤独感を感じない一体感のある会社風土作りに注力し実践しています。
例えばHR OnBoard NEXTシステムというビッグデータ分析を用いたヒヤリングシステムを導入し、社員さんから私に直接言いやすい環境をつくっています。
仕事のことやプライベートなどどんなことでも、一人で抱え込まない風土を作り継続しています。
現在正社員約50名、BPさんが30人くらいで、それらを現在4名の営業メンバーで見ています。
営業さん一人あたりで見る人数は少ないほうだと思います。社員さんをフォローアップする体制は、フォローチーム、営業チームと分担しお互いが常々コミュニケーションを多くとっていると思っております。
三つ目には、資金的に銀行から借り入れていない無借金経営で細く長く堅実にやらせていただいています。
こういうところが強みだと思います。

今までご苦労されたことはありますでしょうか

私が一番苦労したのは2008年のリーマンショックの時ですね。
私もエンジニアとして稼働していたのですが、当時は社員30名くらいの規模で10人くらい稼働が空いてしまったのです。
私はエンジニアと営業の両方をやり、かつ平取締役から代表取締役になりました。
まず空きエンジニアをどうやって無くすか、何度も取引先各社様に1人でも何とかならないかとお願いして回りました。
会社創設から26年目くらいでした。
長く取引させていただいていたお客様の所に少しずつ入れていただいて何とか乗り切れました。

これから力を入れていきたい分野とか方向性はいかがでしょうか?

当社は、業種的に強いところは銀行や証券、生保、損保などの金融系が一番多いです。JAVAによるウェブ開発がメインなのですが、近年AWS案件などの引き合いあり、そこのシェアを増やしていきたいと思います。またAI関連の開発にどのように参入していくかというところも課題です。私が学生時代AI開発に縁がありましたので、何とかAI関連開発案件に絡みたいのですが、なかなか実現できてないところです。一歩踏み出さないと前進はないですし、現状維持は衰退だと思いますので少しずつでも新しい分野に参入し伸ばしていきたいです。

自社製品も手掛けていますね

自社製品システムで、トレーサビリティという在庫管理システムがあります。
石井のお弁当君やミートボールなどで有名な食品会社様と、直で20数年取引させていただいています。
サポート保守を結んでいて何かあったらすぐに対応をしています。
ハンディターミナルでQRコードとかバーコードを読み込んで、在庫数の管理とその応用として在庫履歴などのトレース管理をしています。
コロナ以前は東京ビックサイトでの展示会に出展し、新規取引成約の実績がありました。
日野自動車の子会社さんでトラックの部品の在庫トレース管理システムを導入させていただいたりしました。
また小売業者やアパレル業者にも納品いたしました。
石井食品さんとか日野自動車さんの子会社さんに比べると規模は小さいのですが、ベースのシステムを少し微修正して廉価に提供できたのが良かったと思っております。

組合への期待やご要望があれば

METSAとの関りは、アイ・クリエイティブの鈴木さんからの紹介からになります。
METSAとは全然関係なく「同業なのですね。」という話からでした。
そこからMETSAの共同求人委員会を知り加入させていただきました。
新卒さんの採用は今までキャリタスを利用していましたが、コロナ禍で新卒採用をストップしていました。
今回METSAの共同求人委員会で、仙台の東北電子専門学校の合同説明会に参加いたしました。
みんなで仙台に行って説明会をやらせていただき、終了後は参加した企業さんと仙台で打ち上げを行いました。
そのあと学校から面接の応募があり内定承諾に至っております。
実は東北電子専門学校については、卒業生が当社におりご縁もあります。
遡ること2005年くらいまでは毎年東北電子専門学校さんに行って採用活動をしていました。
担当の先生が変わって活動が途切れてしまいました。いったん途切れますと再開のきっかけが難しいのですが、METSAの共同求人委員会の活動で再開できました。今後も継続できればありがたいです。
日本電子専門学校さんもオンラインで会社説明会を設けていただきました。
そこも当社で活躍中の卒業生が多くて、これからMETSAのご縁で良い流れができていければよいと思っています。
単独の会社で学校さんに採用活動をするより、METSAの名前で何社か合同で行かせていただいたほうが、学校や学生の意識も違うと思います。
学生さんにとっても1回のタイミングで何社もまとめて説明を聞けますし、お互いすごいメリットがあると思います。
今年から日本電子専門学校さんの担当をアイ・クリエイティブの伊東さんから引き継ぎ、システムロジックス社の吉田さんと2人でやらせていただきます。
これまでの伊東さんの貢献をより良い方向につなげていけるように頑張っていきたいと思っています。
共同求人委員会活動は、内定まで出させていただいて大変ありがたく思っています。共同求人委員会の中の方々とも情報交換させていただき、すごく勉強になりました。皆さんずっとやられている方が多いので教えていただくことばかりです。
今後も鈴木委員長のリーダーシップのもとに活動を継続し、採用できたらアイ・クリエイティブ社主催の研修もオールインワンになっていますので、積極的に受講していきたいと思います。助成金にも精通されていますので申請方法などを教えてもらっています。

共同求人委員会以外の期待、ご要望、何かコメントなりご意見があれば

やはり法改正的なところは情報としては入ってくるのですが、具体的に各会社さんでどういう対応をされているのかが知りえる場がないですよね。
昨年ですとインボイス法、そろそろ施行ですよね。来年は電帳法もありますよね。
その前ですとハラスメント対策の義務化とか。なんかしら毎年新しいのが出てきて、どれくらい対応したらいいのかがよくわからないです。
顧問の社労士さんとか産業医さんとかに聞いて他社さんの情報をもらって、じゃあミニマムでやりましょうとなり、じゃあそのミニマムってどのくらいなの?現在新宿法人会という税務署の外郭団体で役員をやらせていただいていますが、他にIT業界の会社さんが少なくて、同業他社から聞きたい分野に関しては当てはまらないっていうのが本当のところです。
METSAとは別になりますが、私はインテックさんのパートナー会に加入し役員をやらせていただいています。
企画分科会とか親睦分科会とか大きく分かれていて、親睦分科会でゴルフコンペ等を担当しています。
企画分科会のほうは、各種セミナー等ですね。
新卒向けとか中堅向けとか、経営者研修とかがあり、社内のメンバーも受講させて頂いております。
また、8月に行われたMETSA納涼船屋形船に参加いたしました。
レクリエーションとして10月4日のボウリング大会も社員を募って参加する予定です。

人材採用、人材育成について

共同求人委員会では中途採用のところはあまり進められてなかったので、一度求人広告の代理店の方を紹介させていただいたことがありました。そこで中途採用の状況とか取り組み方とかの情報を共有いたしました。METSAとキャリタスさんとは、もともとつながりがあったようで被ってしまいましたが、アオイシステムとして特色を出して今後お力になれればと思います。中途採用のほうはエン転職、デューダ、マイナビ、タイプなどの媒体を利用しています。1回募集をかけて1人採用ぐらいでしょうか。少しITの知識がある人を採用し、私が研修をするという流れを繰り返しています。マンツーマンでITパスポートとか、基本情報処理レベルの内容の研修を行っています。それが当面の教育方針ですね。新卒さんに関してはアイ・クリエイティブさんのJAVA研修などお世話になっています

事業承継という視点ですがいかがでしょうか

私は今49歳ですので、15歳くらい下を育てている状況で、セミナーとか外部の研修を利用し次期経営者向けの外部セミナーを受けさせているくらいです。株は100%私が持っていますので、そこをどうしようかというのがありますよね。創業者から私に株を引き継ぐ時に納税額はガバっとありましたので。次世代を早め早めに育てて行かなければと思っています。そういうメンバーはMETSAなどにも参加させていただいて、皆さんからご指導いただき人脈と経験を積ませていただいたほうが良いかもしれないですね。ボウリング大会に一緒に参加してもよいかもしれません。

会社として将来こんなふうになりたいというイメージはありますでしょうか?

私がやっぱりこの会社をこうしたいっていうビジョンを社員さんと共有したい、ベクトルを同じ方向にして仕事をしたいと伝えています。私もいずれは引退しますがそれがいつなのかは年齢だけでは分からないところがあります。同じ方向を向き、アオイシステムという会社を自分の会社と思ってもらえるメンバーを育成し増やしていきたいという願いがあります。
直近の目標はパートナーさん含めて100名規模を目指そうと思います。50名のところで産業医との契約やストレスチェックシステムを導入、労基への報告義務、衛生管理者のアサインなどいろいろ必要なこと増えました。社員がさらに増えると次元の違う社会的な負担が増えてきますが社会的責任として対応していきたいと思います。

探訪後記

二上代表は、ご両親や親族の方などがIT関連の会社の経営者として携わっている中で育ち、ご自身もお母様の会社を継承する道を選びました。お母様の考えが二上代表の経営哲学やポリシーなどにも継承され、さらに発展されていると思います。代表はもともと技術者ですので、自らAWSなどを勉強し、時代の潮流を肌で感じビジネスに結び付けています。METSAやそのほかの団体で積極的に活動されております。さらに活躍していただきますようよろしくお願いいたします。

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