通商産業省 関東通商産業局 関産認協第1476号

METSA

組合員探訪

第16回訪問 2016年9月5日(月) 株式会社千代田ソフトコンサル

組合員探訪
株式会社千代田ソフトコンサル
住所
東京都台東区東上野2-3-7 山本ビル5階
代表取締役
志村 行彦様
設立
1995年(平成7年)1月26日
組合加入日
2003年(平成15年)3月1日
探訪日
2016年9月5日(月)16時~17時 
樽屋、田井中両監事、小倉事務局長、理事小池が訪問いたしました。

平成7年に会社設立し、今年は22年目に入りました。組合にも古くから加入されています。
志村代表は、会社を7つほど創設し経営をなされておられます。IT業界関連に留まりません。レストラン経営や、海外からの様々なものを輸入し販売を手掛けています。
代表は、日々様々なビジネスを取り仕切る非常にお忙しい中、「組合員探訪」のお願いに承諾していただきました。

会社概要

ソフトウェア開発で豊富な実績と技術力を有しています。特に流通関連や販売管理などの業務システム、PHP言語を使用したWebシステムの開発、スマホ向けアプリケーションの開発などを主に行っています。

会社を設立したきっかけは?

会社設立前は、スーパーマーケットチェーンの『長崎屋』(現ドン・キホーテ)の情報システム部門に、SEとして在籍していました。主に給与や財務システムの開発を担当していました。長崎屋は衣料品部門に強く、その仕入れや開発力に特徴があり、業界ではめずらしい衣料品のフランチャイズを全国に展開していました。しかし90年代に入ると業績がおかしくなり、リストラが始まりました。
私もコンピュータ部門からフランチャイズ本部に移動になりました。退職金の割り増しもありましたので、潮時かなと希望退職し一人で独立しました。46歳の時です。

今までを振り返ってみていかがでしょうか。ご苦労されたことは?

当初は今までの経験を活かし、給与関係のソフトウェア製品を開発し営業活動をしました。しかし、うまくいきませんでしたね。社員が残りましたので、SESビジネスをメインに切り替えました。そして徐々に社員を増やしていきました。苦しい時は国の助成金を有効活用し乗り切りました。
日本人技術者の採用が難しい時は、中国に行って会社も創り、中国人の技術者を連れてきたりしました。

志村代表は、この会社以外にたくさんの会社を創設し経営しているようですが・・。

私の性格として、少し成功するといろんなことに手を出してしまいたくなります。例えばレストランの経営です。青森の八戸や新潟、北京で経営しました。何故そのような場所かといいますと、昔の長崎屋つながりです。元長崎屋内のショッピングセンターでレストランが売りに出され昔の仲間から何とかしてくれと頼まれると、安いからいいかと購入し引き継いでしまいました。
別会社でガチャガチャの製造販売もやってます。130店舗くらいに納めています。
絵画やリトグラフ、フォトフレームの輸入販売も手掛けています。3000枚ほど買いました。レンタルや贈答用に販売しています。輸入時は売れるだろうと期待していますが、ものの見事に在庫になり倉庫に眠っています。
コンピュータ関連の業務で得た利益を他のビジネスに投資展開しています。もしコンピュータ関連の業務に絞っていたならば、もう少し大きな会社になっていたと思います。私の新しい物好きな性格なので仕方ないですね。(笑)

貴社の状況や強みなどはいかがでしょうか。

当社の多くの技術者は中国から連れてきています。みんな優秀でやる気のある人ばかりです。ですから、自ら新しい技術を習得し、業務に迅速に反映対応をしています。
ビジネスの2割くらいが一括請負または製品化業務です。あとの8割がSESでの受託業務です。 一括請負は、PHP言語を中心としたWebシステム開発 AndroidやObjective-C、SWIFT言語でのスマホアプリ開発です。大きな案件はリスクを伴いますので、 手ごろな案件を営業が取ってきます。常時数名程度の技術者を回せるくらいのビジネスサイズです。
強みは、7つの会社間の緩やかな連合体で協力し合って業務をしていることでしょうか。 ビジネスカテゴリーが違っていてもITで結びあっています。

貴社の、これから力を入れることや、方向性などはいかがでしょうか。

絵のうまい人たちのイラストレータやデザイナー集団の会社があります。CG作品などを制作しています。本当は美術だけで食べていければいいのですが、継続的に仕事があるわけでもありません。作ったからと言って売れるわけでもないです。そのためSEやプログラムを作成したり、学校の講師をしたりしています。その人たちにゲームアプリの企画書からゲーム開発まで一気通貫で制作に携わらせて形になってきました。 デザイン重視のホームページの制作もこれから力を入れていきます。そこをポータルとしてWebシステム開発につなげていきます。
各会社に、好きなようにいろいろやらせて、コンピュータに関わりのあるカテゴリーでビジネスを拡げていきたいですね。自社の商品を作りたいと思っている人に独立させたいと考えています。
一括請負のビジネスを増やし、体制を強くしていきたいです。できる技術者は一括請負体制に入りたいと希望しています。その希望に沿うようにビジネス規模を拡大したいです。自社製品の開発とともに今後力をいれていきたいですね。

組合の活動状況やご要望やご意見等何かありましたら。

自分で考え行動してしまうタイプなのでそんなに期待はしていませんが、困ったことがあれば利用しています。でも、人材の問題でだいぶ助けられたことがありましたよ。組合で健康診断が無料で受けられるので今後は利用したい。

人材採用状況や採用方法についてはいかがでしょうか

採用は、中国の能力の高いエリート層に絞っています。中国で教育し日本に連れてきています。今年は、大連理工大学卒業生2名を半年間教育し連れてきました。将来は一括請負体制のメンバーにしたいですね。

人材育成やキャリア形成方法などについてはいかがでしょうか。

本人が好きなことを自分で勉強することが基本です。
やる気のある人には、少しお金を出してあげて独立させています。そして会社間の緩やかな連合体を築き上げていきます。

事業継承などにつきましては

最近M&Aの誘いが頻繁に来ます。M&Aも一つの考えだと思いますが、今いる社員たちを社長にしていくのが一番いいですね。やる気のある社員のモチベーションが上がりますから。早く任せて自分はゆっくりしたいですね。(笑)

JAPiCO、PマークやISMS、派遣法改正についてはいかがでしょうか。

特定派遣は持っているのですが、必要性含めて新しい派遣事業に切り替えるかどうか今後検討していきたいですね。

探訪後記

想像してみてください。カテゴリーの違う7社を同時に経営し継続していくことを。どうやって頭を切り替えればよいのか。一つだけでも大変ですよね。
事実、志村代表は、私たちのインタビュー前はガチャガチャ関連の会議、お話を聞く間もひっきりなしの電話。次の打合せの催促の連絡・・。まだまだお聞きしたいことがありましたが、ご迷惑かと思いそそくさと切り上げました。
ご本人は「新しい物好きな適当な人間だよ。」とおっしゃっていましたが、状況の変化に柔軟に対応できる能力をお持ちの方だと思いました。
次々と事業を起こし成し遂げる。経営者であり同時に事業家の顔を持っています。
頼まれればいやといえない代表のお人柄だと拝察いたますが、お話を聞いていて本当に気さくで表裏の無い、人に慕われる方だと思いました。

そして驚くのは、やる気のある社員さんを独立させ会社を承継させています。社員の独立や会社の承継は第2の創業とも言われます。これは社長の一番難しい仕事です。長崎屋がよもや民事再生になるとはだれも想像できないことが起きる現実。会社を継続させ、できる社員の能力を最大限引き出し、緩やかな連合体をいつの間にか組織してしまう志村代表の経営の原点は、そこにあるのかもしれません。
帰りしな、代表から女性陣2人にリトグラフ何枚か持って行っていいよ。とおっしゃられいただきました。優しい志村代表に感謝の気持ちを表すと同時に、引き続きご活躍されることを願っています。

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